脊椎分離症はスポーツマンに多い −福辻式で自力改善−
過度の運動をすることによって、椎体の突起が分離してしまうことを育椎分離症といいます。
脊椎分離症は文字どおり、脊椎の一部が骨折して離れるというもの で、椎間関節突起間部に見られます。あまり激しい痛みをともなわないことが多く、分離症と気づかないケースがよくあります。何となく腰が重い、ときどき腰が強く痛むという場合には、分離しているかもしれないので、とりわけ小学校高学年から中学生の子供は一度専門医に診てもらいましょう。
脊椎には左右両側に関節突起がありますが、分離症では片側の突起間部が分離するケースと両方とも分離するケースがあります。とりわけ両側が分離してしまうと、上位椎体は後方の下関節突起による制動を失ってしまい、下位椎体の上を前方にすべり出して、分離すべり症に移行します。また、脊椎分離があると腰部が不安定になり、椎間板へのストレ スを増すことになり、椎間板ヘルニアを併発することもあります。
脊椎分離症の原凶としては、少なくとも次の2 点が考えられます。第一は遺伝によるもの、第二は繰り返し加えられるストレスによる疲労骨折です。とくに第二の原因は、成長期の過度のスポーツ活動などによってよく引き起こされます。
診断は、レントゲン写真の斜位像を撮ることで行われますが、分離がよくわからないときには、さらにC T検査によって診断されます。
脊椎分離症の治療は保存療法がほとんどで、早い段階で分離症と診断されたら、コルセットを装着し、原因となっているスポーツ活動を休んでください。これで骨癒合が起こり、自然に治ります。完治すればスポーツも問題ありません。
